「もし今、大きな地震が来たら、この子を連れてどこへ逃げればいいのだろう」。犬と暮らしていると、ふとそんな不安がよぎることはありませんか。東日本大震災を経験した東北では、ペットを連れた避難の難しさが数多く報告されました。この記事では、犬の飼い主が平時から備えておきたいことを、東北で実際に立ち寄れるスポットとあわせて整理します。
まず知りたい「同行避難」と「同伴避難」の違い
環境省のガイドラインでは、災害時にはペットと一緒に避難する「同行避難」が原則とされています。ただし同行避難とは「避難所までペットと一緒に移動すること」を指し、避難所の室内で一緒に過ごせる「同伴避難」が保証されているわけではありません。
実際には、避難所ではペットは屋外や別スペースでのケージ管理となるケースが多くあります。「連れて行けば何とかなる」ではなく、ケージやクレートの中で犬が落ち着いて過ごせることが、避難生活の前提になると考えておきましょう。
お住まいの市町村がペットの受け入れについてどんな方針を示しているかは自治体ごとに異なります。ハザードマップとあわせて、平時に一度確認しておくことをおすすめします。
東北ならではのリスクを想定する
東北の災害リスクは地震だけではありません。沿岸部なら津波、内陸や山間部なら豪雨による土砂災害、そして冬は大雪による停電や孤立も現実的なリスクです。
特に冬の東北で停電が起きると、暖房が使えない環境で犬と過ごすことになります。毛布や犬用の防寒着、カイロなどの寒さ対策は、東北の飼い主にとって防災用品の必須項目と言えます。夏場であれば逆に、停電時の暑さ対策として保冷剤や冷感マットが役立ちます。季節ごとに備えの中身を見直す習慣をつけましょう。
犬のための備蓄リスト
人間用の備蓄と違い、犬用の物資は避難所や支援物資ではすぐに手に入らない可能性があります。環境省のガイドラインでは、フードと水は5日分以上(できれば7日分)の備蓄が目安とされています。あわせて次のものを準備しておきましょう。
- フード・水(5日分以上)と食器
- 常備薬・療法食(かかりつけの動物病院に相談を)
- 予備の首輪・リード、クレートやキャリーバッグ
- ペットシーツ、うんち袋、タオル
- 狂犬病予防注射済票・ワクチン接種記録のコピー
- 飼い主と犬が一緒に写った写真(迷子時の証明に役立ちます)
迷子対策として、首輪への迷子札の装着とマイクロチップ情報の登録内容の確認も忘れずに。災害時は犬がパニックで逃げ出す事例が多く報告されています。
用品をまとめて揃えるなら、仙台のペットエコ 中山店のような大型専門店が便利です。2万点以上の品揃えがあるので、クレートから携帯用食器、防寒グッズまで一度に比較して選べます。
平時の「慣らし」が最大の備え
備蓄と同じくらい重要なのが、犬自身の慣らしです。避難生活で犬に求められるのは、クレートの中で落ち着けること、車移動に慣れていること、知らない人や犬がいる環境でパニックにならないことの3つです。
おすすめは、ふだんのお出かけを「防災訓練」を兼ねた機会にすることです。クレートに入れて車で移動し、休憩を挟みながら外の環境に慣らす。この流れは、車で避難する場面の予行演習そのものです。
東北には道の駅に併設されたドッグランが多く、車移動の練習と休憩を兼ねた立ち寄り先として最適です。宮城なら三陸道沿いの道の駅三滝堂 ドッグランや、小型犬専用の道の駅かくだ DOG PARK。岩手なら道の駅 雫石あねっこ わんわんパーク、福島なら道の駅猪苗代のドッグランなどがあります。こうした場所で「車で移動→クレートから出す→また戻る」を繰り返しておくと、犬にとって車とクレートが安心できる場所になっていきます。お近くのドッグランはドッグラン検索からも探せます。
防災を体験しながら学べる場所も
宮城県東松島市には、東日本大震災で被災し廃校となった旧野蒜小学校を改装した防災・教育複合施設KIBOTCHAがあります。グランピングドームテントに犬と一緒に宿泊でき、防災について学びながら「いつもと違う環境で犬と寝泊まりする」体験ができる、東北ならではのスポットです。宿泊はお出かけとしても楽しく、犬にとっては環境変化への練習にもなります。予約時に犬種の申請が必要なので、詳細は公式情報をご確認ください。
まとめ
災害時に犬を守れるかどうかは、平時の準備でほぼ決まります。同行避難の基本を知り、5日分以上の備蓄を用意し、ふだんのお出かけでクレートと車移動に慣らしておく。この3つを今週末から少しずつ始めてみませんか。いつものドッグランへのドライブが、そのまま愛犬を守る訓練になります。
※掲載情報は執筆時点のものです。おでかけ前に各施設の最新情報をご確認ください。
